【今回の記事の結論】
- 会社員の平均年金受給額は月14.6万円
- 正社員夫婦であれば、年金だけでも平均的な老後は迎えられる
- ゆとりある老後を送るには、支出の削減・繰り下げ受給・働けるまで働く
ほとんどの人が老後に不安を感じているのではないでしょうか?
それもそのはず………。なんと老後何かしらの不安がある人は80%以上もいるんです!
このグラフの一番上の赤枠が2022年に老後何かしらの不安がある割合です。
私も老後不安に感じていましたが、私だけではないんですね(ホッ)
では、何に不安を感じているかと、年金でだけでは老後のお金が足りないということです。
2019年には、老後2,000万円問題が話題となりましたからね。
『いまさら聞けない老後2,000万円問題ーー銀行員が内容と老後対策を解説【これをすれば老後は安泰】』
やっぱりお金の不安を感じている人は多いようです。
ただ、不安から目をそらしても何も解決しません。
不安を解消するには、老後のお金の事情を知ることが必須となります。
- 老後に必要なお金はどれくらい?
- 老後にもらえる年金額は?
- 足りない場合はどーすべき?
について解説していきます。
これらを知ることで、一人でも多くの人が老後不安が少しでも解消されれば幸いです。
では、いきましょう!
目次
老後に必要なお金はいくら?
まず老後にいくら必要なのかを把握しましょう。
総務省が出している2021年の家計調査年報によると、65歳以上の夫婦の支出はこのようになります。
- 食費 65,759円
- 交通・通信費 25,137円
- 交際費 20,648円
- 水道光熱費 19,526円
- 教養娯楽費 19,301円
- 住居費 16,608円
- 保健医療費 16,159円
- 家具家事用品 10,324円
- 衣料費 4,938円
- 教育費 226円
- その他 25,810円
- 合計 224,436円
中でも食費が6.5万円と3割程度を占めています。
後は何歳まで生きることになるのかによって、必要な資金が大きく変わります。
ここでは話を簡単にするために、夫婦両方90歳まで生きたと仮定します。
そうすると、
・支出金額は消費支出224,436円+非消費支出30,664円=255,100円が毎月必要。
・65歳~90歳まで25年ありますので、期間は300か月。
・255,100円×300か月=76,530,000円(7,653万円)が必要な資金です。
7,600万円以上なんて大金を用意するのは無理だよ。
ただ当然収入もありますので、次は老後の収入を見ていきましょう。
会社員の年金額っていくらもらえるの?
次に老後にもらえる年金の金額を見ていきましょう。
先ほどのグラフに記載してある『社会保障給付』が年金の平均額です。
2021年では夫婦2人で216,519円です。
ただ、夫婦2人といっても、
- 両方正社員
- 片方正社員、片方パートか専業主婦(主夫)
ではもらえる年金額は大きく変わります。
そこで、正社員の場合とパートの場合で年金がどれくらい変わるか見ていきましょう。
正社員の年金受給額
令和2年度の厚生年金の平均受給額は146,145円です。
これをさらに性別で見ると、こうなります(65歳以上)。
- 男性 170,391円
- 女性 109,205円
年金受給額を見てあなたはどのように感じましたか?
私は「それなりにもらえんじゃん」と、安心しました。
正社員夫婦であれば、
夫170,391円+妻109,205円=279,596円となり、平均的な支出255,100円(非消費支出を含む)を超えます。
ですので、老後を心配しなくても、年金だけで平均以上の生活は送れます。
パートや専業主婦(主夫)の年金受給額
パート(社会保険加入なし)や専業主婦(主夫)の令和2年度の平均年金受給額は56,252円です。
国民年金でも女性よりも男性の方が多いですが、厚生年金ほどの差はなく、たった5千円です(男性平均59,040円、女性平均54,112円)。
ちなみに年度で変わりますが、満額だと約月65千円もらうことができます。
夫が正社員で、妻がパートや専業主婦(第3号被保険者)の場合の月の平均年金額は
夫170,391円+妻54,112円=224,503円(令和2年度)です。
これだと平均支出額から毎月約30,600円不足することになります。
もし90歳まで夫婦2人とも生きたと仮定すると、918万円不足します。
我が家はここに該当しますが、これくらいなら大丈夫だなと安心しています。
このままでは老後のお金が足りない
老後のお金がどうしても足りなそうだという場合の対策は、以下の対策があります。
- 支出を抑える
- 65歳以降も働く
- 繰り下げ受給をする
では、一つずつ見ていきましょう。
1.支出を抑える
平均支出額は22万円ですが、この金額を収入金額まで抑えることができれば困ることはなくなります。
【支出を抑える方法は↓こちらから】
『【まず実践すべきは貯める力】リベ大の両学長のおかげで年間36万円の削減ができた!』
支出で一番大きな割合を占めているのは食費ですが、食費や交際費、教養娯楽費といった健康や心を豊かにするものは削らないほうがいいです。
健康で、毎日が楽しくないと長く生きても意味がありませんから、ここはお金を払いましょう。
ただ、健康という意味で1日2食(朝食を抜く)にするのはオススメです。
支出を削減すべきは、通信費や光熱費です。
通信費であれば、格安SIMや格安スマホに変更。
光熱費は自由化になってから、金額に差が出ているため、安くならないか探してみましょう。
これらであれば、心が貧しくならず、かつ、毎月の固定費ですので、削減の効果が継続するためオススメです。
2.65歳以降も働く
次は出来るだけ長く働くということです。
最近はFIREが流行っているので、嫌がられる考え方かもしれません。
ただ、あなたが思っている以上に自分が働いて得ることができるお金は大きいものです。
これは4%ルールに基づいた考え方です。
ですので、
資産1億円を持っている人は、株式5,000万円、債券5,000万円で運用すれば、1億円×4%=400万円を毎年取り崩すことができるということ。
ようするに、年収400万円の会社員と使える金額は同じです(税金は考慮しない)。
長く働くことができれば、その分貯蓄がなくても問題なくなります。
極論を言えば、死ぬまで働けて、収入の範囲内で生活できれば年金も貯蓄もいりません。
それに長く働くことは健康にも良いとされています。
その理由は
- 社会とのつながりがあるから、孤独を感じないため
- 規則正しい生活を送るため
- 働くことで、頭・体を動かすため
そういう私は、以前は早くリタイアして、自由気ままに過ごしたいと思っていましたが、今はできるだけ働きたいなーってぼんやり思っています。
いずれにしても、自由に生きれるように資産は増やしたいですね。
3.繰り下げ受給をする
次は繰り下げ受給です。
これは年金をもらう時期を遅らせることで、毎月の受取金額を増やすというものです。
65歳から受け取れる年金と比較して、1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額して受けとることができます。
もし70歳から受取開始にすると、65歳で受け取る金額よりも毎月42%増額します。
例えば65歳で受け取った場合が月10万円だと、70歳で受け取ると毎月14.2万円になります。
どれくらい生きれば70歳に繰り下げした方がお得かというと、82歳です。
ただ、注意が必要なのは年金額が増えるとその分税金も増えるということです。
税金を除いた手取り金額を考えると、85歳まで生きれればお得です。
女性であれば平均寿命はそれ以上ですので、70歳まで繰り下げした方がお得になる可能性は高いです。
2022年現在では男性の平均寿命は81.47歳ですが、今後も寿命は伸びていくことが予想されるので、70歳まで繰り下げした方がお得になる可能性は高いでしょう。
私は年金を損か得かで考えないほうがいいと思っています。
年金は長生きをした時の保険と考えた方がいいでしょう。
人生100年時代と言われていますが、悲惨なのは長生きしたばかりにお金のことで生活が困ってしまうことです。
自分の寿命よりも先にお金がなくなってしまっては元も子もありません。
年金は受取時から死ぬまで、ずっと受け取ることができます。
年金額が支出よりも多いと、あなたのお金が減ることはありません。
安心を買えるのであれば、最悪、想定よりも早く死んで損した方がまだましではないでしょうか?
私はこのように年金を長生きリスクに備える保険と位置付けていますので、70歳まで繰り下げ受給をしようと考えています。
平均寿命がもっと伸びることを考えると、これ以上繰り下げ受給してもいいでしょう。
あとは「老後の資産」「受け取れる時期」「年金受給額」のバランスです。
これらを計算して、自分の人生に合った最適なタイミングで年金を受け取りましょう。
我が家の老後対策
我が家としては老後にも旅行を楽しみたいので、月40万円は使いたいと思っています。
やっぱり、ゆたかな老後は憧れますよね。
65歳から年金を受け取るとすると、月22.4万円の受給となります(夫:正社員、妻:パートの場合の平均額)。
そうすると、
前提:65歳までは労働により、生活費を捻出
毎月の支出・・月40万円
年金受給額・・月22.4万円(夫婦二人分)
不足額・・・・月17.6万円
老後不足額・・5,280万円(二人とも90歳まで生きると仮定)
私は老後まで、あと25年以上ありますので、対策としては「今すること」と「将来すること」に分かれます。
今すること
- 支出の削減
- 収入の増加
- 浮いた分をつみたてNISA、iDeCoで運用
支出削減については、固定費の削減につきます。
- 通信費(格安SIM・格安スマホ)
- 保険(生命保険・火災保険・自動車保険以外解約)
- 車両(100万円以内の中古車)
- 新聞代(楽天証券に加入で無料)
【詳しくはこちらから】
『【まず実践すべきは貯める力】リベ大の両学長のおかげで年間36万円の削減ができた!』
収入の増加としては、本業と副業を頑張ることです。
副業としては、『せどり』と『ブログ』をしています。
ブログは全くもって稼げていませんが、せどりで小遣い程度は稼げています。
【収入増加についてはこちらから】
『稼ぐ力アップで月2万円稼げるように!リベ大の両学長の言うことを実践してみた』
『【稼ぐと小金持ちにグッと近づく】私は毎日笑顔で過ごすために本業収入をアップさせた』
私は支出を削減し、収入が増加した分をつみたてNISAやiDeCoに回しています。
我が家でしている運用としては、
つみたてNISA×2 年間80万円
iDeCo×1 年間14.4万円
ジュニアNISA×1 年間80万円
我が家では、貯蓄額が年間100万円以上かつ貯蓄率20%以上はクリアしています。
【詳しくはこちらから】
『小金持ちになるなら貯蓄では無理ーー私はほったらかし投資で資産を少しずつ育てることにした』
今しているつみたてNISAは、子どもの教育費の積立も含まれるので、老後にどれくらい回せるか不確定ですが、少なくとも4,000万円は貯まっていると思っています。
将来すること
- 年金の繰り下げ受給をする
- 65歳以降も働く
私は70歳まで年金の繰り下げをしようと思っています。
年金の繰り下げ受給はリスクなく、なんと年利8.4%もリターンがあります。
これからも平均寿命が伸びていくことを考えると、70歳まで繰り下げるメリットは男性でもあると思っています。
その他に将来することは65歳以降も働くです。
FIREという生き方が指示されている中で、変わっていると思われるかもしれません。
私も以前は早くリタイアしたいなーと思っていましたが、働かなくなると社会とのつながりが途絶え、耐えれないかなーって思っています。
今のところ65歳以降に何をするのかは想像できませんが、何かしらで働きたいと思っています。
そうすることで、収入面・健康面でプラスになりますからね。
老後対策結果
これらの対策をすることで、老後(65歳)での資産の概算は
・投資信託等 4,000万円(25年間の運用予定額)
・現預金 2,000万円(税引き後の退職金)
年金受給時期を70歳まで繰り下げするため、65歳からの5年間は資産の取り崩しと労働収入で月40万円をまかないます。
ざっくり、労働収入を月10万円、資産取り崩し額を月30万円とすると、
70歳までで資産は1,800万円減少します。
70歳での資産は
・投資信託等 5,100万円(65歳から70歳までの5年間、年利5%の複利計算)
・現預金 200万円
70歳以降は年金と4%ルールで投資信託等を取り崩します。
・支出 40万円
・年金収入 31.8万円(22.4万円×142%)
・投信取り崩し 8.2万円
5,100万円を4%取り崩した場合、年間使える金額は5,100×4%=204万円です。
取り崩そうとしている金額は、月8.2万円×12か月=98.4万円ですので、全然大丈夫ということになります。
我が家の老後対策の結論。
- 支出の削減
- 収入の増加
- 浮いた分をつみたてNISA、iDeCoで運用
- 年金の繰り下げ受給をする
- 65歳以降も働く
これは誰でも再現性のある方法ではないかと思います。
ただ、すぐにでも仕事を辞めたい人からすると、65歳以降も働くというのは嫌がられるでしょうけど………。
まとめ
【今回の記事の結論】
- 会社員の平均年金受給額は月14.6万円
- 正社員夫婦であれば、年金だけでも平均的な老後は迎えられる
- ゆとりある老後を送るには、支出の削減・繰り下げ受給・働けるまで働く
早く準備すればするほど、ゆとりある老後を送れる可能性は高くなります。
まずはなりより支出の削減が必須。
家計も体もスリムな状態を目指していきましょう!
ムダな固定費を削減して、iDeCoやつみたてNISAで自分年金を。
以上です。ありがとうございました。