お客さんから質問を受けるんだけど、うまく説明できないんだよ。
お前んとこでもしとるんやな。
わかり易く教えてよ。
じゃあ、解説していこか。
【今回の記事の結論】
- 銀行が店舗内店舗を行う目的は収益環境が厳しいため
- 店舗内店舗はお客さまに極力手間をかけずにできる統廃合方法
- 将来、銀行の店舗はどんどんなくなっていく
最近多くの銀行が店舗内店舗によって、支店を削減しているのをご存じですか?
店舗内店舗(ブランチインブランチ)とは、1つの店舗内に複数の支店が営業する店舗形態のこと。
「あーそういえば、うちの近くの銀行がなくなったな」
こう感じる人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は
- 店舗内店舗って何?
- メリット・デメリットは?
- 今後はどうなるの?
といったことを現役の銀行員である私が解説していきます。
銀行の行く末を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
店舗内店舗とは
ただ、店舗がなくなるとお客さんは通帳やキャッシュカードを変更せなあかん。
そういったお客さんの面倒がなくなる方法が『店舗内店舗』や。
なんでお客さんは通帳やキャッシュカードを変更しなくていいの?
イメージとしては、1つの店舗の中に複数の店舗が入っているみたいな感じやな。
店舗内店舗は、1つの店舗の中に複数の店舗が入っているイメージです。
【銀行が店舗内店舗をする背景】
- マイナス金利の影響で収益大幅減少
- 経費削減
- デジタル化や顧客のライフスタイルの変化により来店客数減少
- 人口減少、少子高齢化による支店地域選定
銀行の収益環境は非常に厳しいです。
2020年度の決算では、約半数の銀行が『減益』・『赤字』となっています。
ですので、人員削減や店舗削減により経費を見直しています。
その一つの取り組みが『店舗内店舗』ということ。
店舗内店舗のメリット
お客さんからすれば、困るだけじゃん。
銀行は経費削減ができる。
店舗がなくなり、人もその分不要になるからな。
お客さんは統廃合よりはええくらいやな。
通帳やキャッシュカードをそのまま使えるからな。
お客さんは不便になるよね。
せやけど、そうでもせないかんくらい銀行は厳しいっちゅーことやな。
まあ店舗自体が不要になりつつあるから、時代の流れもあるけどな。
何でもネットで完結する時代になったからね。
銀行目線で店舗内店舗するメリットを見てみましょう。
【銀行のメリット】
- 店舗にかかる経費削減(固定資産税・光熱費等)
- 店舗が減る分、人も減らせる
- 1カ店当たりの人員が増え、指導がしやすい
銀行にとって大きいのは経費削減ができることです。
店舗内店舗以外にも、『昼休業』や『予約制』を取り入れている銀行が多いです。
【関連記事】
『【銀行が昼休み】昼休業を導入する理由や利用者が取るべき行動について、現役銀行員が解説』
お客さん側のメリットは基本的にありません。
ただ、今までに銀行が店舗を減らす方法としていた統廃合に比べると、キャッシュカードや通帳を変更しなくても良いといったメリットがあります。
店舗内店舗はお客さまに極力手間をかけずに、店舗をなくす方法です。
店舗内店舗のデメリット
まあそれはさっき言った通り、時代の流れから店舗が不要になりつつあるからな。
行員からすれば、支店長等のポストがなくなるんやからな。
モチベーションも下がってまうわ。
店舗内店舗は銀行に行っていたお客さんからすれば、かなり不便になります。
どうしても銀行に行く必要があるなら、銀行を変更することが必要になるでしょう。
また、銀行側から見てもデメリットはあります。
【銀行のデメリット】
- 店舗数・行員数が減少するため規模縮小化
- 支店長等のポスト減少に伴う行員のモチベ減少
- 不便を感じた顧客離れによる融資量・資金量の減少
依然として銀行に来店されるお客さんはそれなりに多くいます。
特にネットに弱い高齢者が多いです。
そういったお客さんは、店舗内店舗をした銀行からどんどん離れていきますからね。
銀行はなくなるの?
店舗はなくなっていくの?
銀行は公共性が高いからな。
高齢者等、店舗がないと困る人がおるからな。
今は高齢者でもネットを使って、若者よりも使いこなしとる人だっておる。
近い将来ではないけど、いずれなくなると思うで。
いずれにしても、今後どんどんなくなっていくことは間違いないな。
銀行の店舗が完全になくなることはまだ先にしても、これからもどんどんなくなっていくでしょう。
【銀行がなくなる理由】
- 銀行の収益環境が厳しく、統合や合併が進む
- 銀行で働く人の減少
- テクノロジーの進化
最近ではふくおかフィナンシャルグループが日本初のデジタルバンク『みんなの銀行』を設立しました。
これからは民間の銀行が、ふくおかフィナンシャルグループに追随していくでしょう。
そして、デジタルバンクの支持が増えれば、実際の店舗の必要性がどんどん薄れていきます。
私も基本的に楽天銀行を使っており、実店舗を使うことなんてほぼありません(銀行員ですけどね)。
特に店舗がなくなっていくのは田舎の店舗です。
【関連記事】
田舎にお住いの方は今の内から対策しておきましょう。
【対策方法】
- ネット銀行に移行する
- 都会に引っ越す
【銀行で働いて大丈夫か心配の方はこちら】
『【副業しない銀行員はヤバイ】銀行員こそ副業をすべき理由5選ーーばれないように副業をするには?』
まとめ
【今回の記事の結論】
- 銀行が店舗内店舗を行う目的は収益環境が厳しいため
- 店舗内店舗はお客さまに極力手間をかけずにできる統廃合方法
- 将来、銀行の店舗はどんどんなくなっていく
店舗内店舗とは、1つの支店に複数の支店が営業する店舗形態のこと。
- 店舗にかかる固定資産税や光熱費等の経費削減
- 人員減少に伴う人件費削減
- お客さんは通帳やキャッシュカード等の手間がない
- 店舗数・行員数減少に伴う規模縮小
- 支店長ポスト等の減少による行員のモチベダウン
- 不便に感じた顧客が離れること
銀行は生き残りをかけて、様々な取り組みをしてきています。
相変わらず他行の動向を見つつ、同じようなことをしているのが残念ですが………。
特に、商売をする人や勤務する行員にとっては銀行がどう進んでいくかを把握しておくことは重要です。
把握しつつ、自分が困らないように行動しておきましょう。
以上です。ありがとうございました。