この記事の結論
- どっちがお得かは結果論。現時点では誰にもわからない
- 金利の特性を知って、自分に合った金利を選ぶべき
- 私であれば、今は変動金利を選ぶ
住宅ローンは金額が大きく、期間が30年超と長いため、金利の負担も大きいです。
ですので、失敗すると取り返しがつかず、その後の人生は一気に『ハードモード』に突入します。
「住宅ローンを組むなら少しでも低い金利で組みたい」
誰もがこう思うでしょう。
ただ残念ながら、『変動金利』と『固定金利』はどちらが得かは現時点ではわかりません。
なぜなら、将来の金利がどうなるかなんて誰にもわからないからです。
結論から言うと、現役銀行員の私であれば、今は『変動金利』を選びます。
今回はそれぞれの金利の特性を解説しつつ、『変動金利』を選ぶ理由を説明します。
ただ、単純に一番金利が低い変動金利を選べばいいということではありません。
変動金利を選ぶ際には注意も必要です。
どちらの金利にしようか悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。
損せんためにも、しっかり勉強しような。
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目次
変動金利と固定金利の割合
住宅ローンを利用している人は、変動金利と固定金利のどちらを選んでいるのでしょうか?
変動金利が約74%と、変動金利を選ぶ人が圧倒的に多いです。
前回調査(2021年10月)では、変動金利を選んでいる人は67.4%と増加傾向。
日銀が利上げした今では、変動金利を選択する人がもっと増えているでしょう。
多くの人が金利が低い変動金利を選んでいると想定されます。
変動金利は金利が低いので金融機関、不動産業者も勧めやすいですからね。
金利の種類は変動金利と固定金利
金利の種類は変動金利か固定金利の2種類ですが、それ以外にも選択肢はあります。
- 変動金利
- 固定金利
- 固定期間選択型
- ミックス
変動金利
変動金利は半年ごとに金利が見直されます。
わかりづらいのが『5年ルール』と『125%ルール』。
5年ルール
5年ルールとは5年ごとに返済額の変更を行うこと。
注意点は金利の見直しの時期と返済額の見直しの時期が違うことです。
5年以内に金利が上昇した場合は、5年間は返済額が変わらずに、返済額の元本と利息の内訳が変わります。
金利が見直されたのに、返済額が変わらなくてラッキーというわけではありません。
金利見直しの支払い分は、最後の返済にまとめて支払うことになります。
125%ルール
125%ルールとは急激に金利が上がったとしても、前回の返済額の125%が上限になるというもの。
例えば返済額10万円だった場合、金利が大幅に上昇しても次回の返済額の上限は12万5千円になります。
上限を超える部分の支払いがなくなったわけではなく、最後の支払いに先送りされる点は注意が必要です。
変動金利を選択すると、最終回の支払いは多いっちゅーことを覚えとくんやで。
変動金利のメリット
・4つの選択肢の中で一番金利が低い
・一括返済する際の手数料が安い
変動金利のデメリット
・金利が上昇すると返済額が上がる
・金利上昇リスクを抱える
・最終回の返済額は大幅に増える可能性がある
固定金利
固定金利は金利がずっと一定で変わりません。
変動金利が史上最低金利のため、今は不人気ですね。
ただし、金利が想定よりも高くなれば一番特になる金利でもあります。
固定金利のメリット
・金利上昇のリスクがない
・返済計画が立てやすい
固定金利のデメリット
・4つの選択肢の中で一番金利が高い
・一括返済する際の手数料が高い
固定期間選択型
固定期間選択型は最初の一定期間(3年、5年、10年等)が固定金利となります。
選んだ期間が到来すると、再度金利の種類を選びます。
再度金利の種類を選ぶ際には、金利は上昇します(最初のみ優遇されるため)。
私は最近までは、10年固定金利が一番良いと考えていました。
【理由】
- いずれ金利は上がると思っていたから
- 全期間固定金利は金利が高い
- 10年後は金融機関と交渉して金利を下げてもらえばいい
ただし、日銀が利上げをしたため、今借りる場合は10年固定金利は魅力が下がりました。
今選択するのは、変動金利に比べてやや弱いですね。
固定期間選択型のメリット
・固定期間中は金利上昇リスクがない
・固定期間終了後に見直しができる
固定期間選択型のデメリット
・固定期間終了後の対応がめんどくさい
・どっちつかずで中途半端
ミックス
変動金利と固定金利の比率を自由に選ぶことができます。
下記のグラフはイメージ図です。
ミックスのメリット
・金利上昇リスクを分散することができる
・変動と固定の両方の良さを取り入れることができる
ミックスのデメリット
・ローンの組み方によっては費用が多くかかる
・どっちつかずで中途半端
自分に合った金利の選び方
ここからは、自分に合った金利の種類を考えてみましょう。
変動金利に向いている人
一番低いからと変動金利を選んでいる人が多いのでは?
余裕がないのに変動金利を選んでいる人は要注意。
本来、こういう人は変動金利を選択すべきではありません。
ちょっと金利が上がっただけで、生活が困ることになるからです。
こういう選択をしてしまうと、金利が上がった時、めっちゃ困るで。
今は史上最低水準の金利です。
金利はいずれ上がります(ついに固定金利は上がりました)。
支出を抑えて、金利上昇リスクに備えましょう。
30%の返済比率には絶対にしてはいけません。
変動金利で組む人は、これだけは覚えておきましょう。
住宅ローンの条件として、返済比率が35%以内が一般的です。
ただ、35%の返済比率はかなりきついので、20%以内にすべき!
ちなみに私は10%未満です。
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固定金利に向いている人
- 金利上昇リスクに耐えられない人
- 返済に余裕がない人
心配性の人は固定金利一択です。
支払額はずっと一定なので、安心を買う意味で金利が少し高いのは目をつぶりましょう。
現状では一番高いですが、金利が想定よりも上昇するのであれば、固定金利が一番お得になります。
変動金利では借りる人。
固定金利では金融機関。
金利上昇のリスクを背負いたくない人は、固定金利を選ぶべきやで。
固定期間選択型に向いている人
- 各銀行の金利動向に詳しい人
- めんどうでも低い金利のために行動できる人
変動金利は金利上昇が怖いけど、固定金利は金利が高い。
そんな人にオススメはこちら。
住宅ローンは各銀行が熾烈な争いを繰り広げているので、低い金利の金融機関があったら借り換えをすればOK。
ちなみに私が組んでいる金利は10年固定型です。
10年後には変動に切り替えようと思っています。
ミックスに向いている人
- 金利情勢に詳しい人
- 繰り上げ返済を考えている人
共働き世帯にオススメ。
夫は固定金利、妻は変動金利なんて組み方もできます。
変動金利は繰り上げ返済で、早めに金利上昇リスクを抑えましょう。
銀行員の私が変動金利を選んだ理由
私が組んでいる住宅ローンは『10年固定金利』です。
ただ、今から借りる場合に選ぶのは『変動金利』です。
選んだポイント
- 日銀がついに金利を上げた
- 変動金利はしばらく上がらないと想定
- 最悪金利が上がっても返済は問題ない
日銀がついに金利を上げた
2022年12月の金融政策決定会合で、日銀がついに利上げを行いました。
金利を上げたタイミングが意外と早くて驚きましたが、いずれ上がると思っていました。
ただ、黒田さんの間に上がるとは………
日銀が金利を上げると、影響するのは住宅ローン金利。
日銀が上げたのは長期金利なので、住宅ローンの固定金利上昇しました。
日銀利上げにより、2023年1月に大手行は10年固定金利型を0.1~0.3%の利上げしています。
- 三菱UFJ銀行 0.87%→1.05%(0.15%利上げ)
- 三井住友銀行 0.88%→1.14%(0.26%利上げ)
- みずほ銀行 1.1% →1.4% (0.3%利上げ)
- りそな銀行 1.08%→1.18%(0.1%利上げ)
変動金利は0.2%代からありますので、固定金利との差がかなり広がりました。
変動金利が現状一番低いのはauじぶん銀行ですね。
固定金利と変動金利の差がこれだけあると、10年固定金利を押してきた私も、今なら変動金利を選びます。
変動金利はしばらく上がらない
確かに変動金利も上がる可能性はあります。
ただ、最初に説明したように、変動金利を選んでいる人は7割を超えます。
もし変動金利を上げれば、多くの国民に影響があるということ。
モゲチェックの記事を見ると、変動金利が上昇するのは5~10年後と予想しています。
ですので、当面は今の超超低金利水準が続く可能性が高そうです。
最悪金利が上がっても返済は問題ない
もし上がったら困るんじゃないの?
私は最悪金利が上昇したとしても、返済はさほど困りません。
【私が金利が上がっても問題ない理由】
- 住宅ローンの借入金額が年収の2倍程度
- 返済比率は10%未満
- 自宅の時価は住宅ローンよりも高い
金利が上がって困ることは、一言で言えば
『返済金額が上がること』
逆を言えば、返済金額が上がっても問題ない状態であればいいわけです。
返済金額が上がっても、
- 返済に余裕があれば問題ない
- 住宅ローン以上にお金があれば問題ない
- 住宅ローン以上に自宅に価値があれば問題ない
ですので、余裕があるお金のやりくりができていればいいということ。
- 年収の5倍を超える住宅ローンを組む
- 返済ぎりぎりの金額まで借りる
- 借入金額より資産価値の低い物件を購入
この内容に当てはまるにもかかわらず、一番低い変動金利で借りてしまったら最悪です。
【参考記事】
『【銀行員が教える】ダメな住宅ローンの借り方ーーやってはいけないNG集5選』
選んでほしくはありませんが、もし返済ぎりぎりでも、どうしても借入をするのであれば、『固定金利』を選びましょう。
変動金利を選んでいいのは、金利が上がっても耐えることができる人だけです。
くれぐれもご注意を。
10年固定金利を組んでいるのに、選ぶのは変動金利?
私は現在10年固定金利を選んでおり、当初のプランでは再度『10年固定金利』を選ぶ予定でした。
次の10年固定金利のときに利上げがあるかなと、、、すると、2022年12月に利上げが………。
久しぶりに現在の10年固定金利を見てみると、金利の高さに驚きました。
私が借りたときの2倍以上になっていました。
当初のプランとは違いますが、その時の最適解を選ぶしかありません。
これだけの金利差があると、変動金利を選択しますね。
まとめ
【今回の記事の結論】
- どっちがお得かは結果論。現時点では誰にもわからない
- 金利の特性を知って、自分に合った金利を選ぶべき
- 私であれば、今は変動金利を選ぶ
住宅ローンの金利は変動金利と固定金利のどっちにすべきについて解説しました。
私が今選ぶなら変動金利ですが、それは返済にゆとりがあるからこそです。
返済ぎりぎりまで住宅ローンを組みたいのであれば、迷わず『固定金利』を選びましょう。
今は一番高いですが、将来、一番低くくなっている可能性もあります。
短期目線じゃなく、長期目線で見なあかんで。
大切なのはあらゆるリスクに対応できるようにしておくこと。
住宅ローンは金額が大きいので、失敗すると取り返しがつきません。
後悔しないためにも、ちゃんと考えましょう。
以上です。
ありがとうございました。